それからほどなく。中の君は薫の君に話します。

「このたび、わたくしには実は異母妹がいてこちらを
頼ろうとして見せに来ました。ちらと見に似ています」
「だれに?」
「大君に」
「えっ?」

薫の君の顔色はいつもの賢人ぶった貴公子から
総崩れにおなりでした。