ぽけーっとしている彼女。

「怪我ないよね?」

まさかだと思い、
俊は彼女をマヂマヂと見る。

「だ…大丈夫です。」

また、ぽけーっとする。

可笑しな女の子だと思った
俊と側にいた洸汰。

「モアイ‼︎鐘鳴るよっ‼︎急ごう‼︎」

遠くから呼ばれた彼女は、
ハッと我に返ったように走り出した。

クルッと後ろを向いた彼女。

「あっご…ごめんなさいっ‼︎」

なぜか理由も無いのに、
謝ってきた。

やっぱり可笑しい子だ。

バシッと誰かに頭を叩かれた俊。

「いったいな…」

「遅刻…」

洸汰に頭を叩かれ、
それから走り出した。