萌空の前に、大きな手が伸びた。

「大丈夫か?」

心配している顔の爽やかな人。

「あっ…はいっ…」

手を取り、立ち上がる。

こんな人、学校にいたっけ?と思う萌空。

「怪我ないよね?」

「だ…大丈夫です。」

ぽけーっとしている萌空。

「モアイ‼︎鐘鳴るよっ‼︎急ごう‼︎」

友実の声で、我に返った萌空。

「あっご…ごめんなさいっ‼︎」

走って音楽室に向かった。

キーンコーンカーンゴンッ…

ギリギリセーフの萌空。
涼や友実、舞子は、
知らないフリをして席に座っている。

萌空は、
頬を膨らませ
涼の隣に座った。