走って走って走る。

涼のあの黒い言葉も恐怖だが、
何より萌空のことが心配で仕方ない。

「はぁっ…はぁっ…」

一生懸命、社会科教室を探す俊。

「どこだよ‼︎」

走ってやっと見つけた社会科教室。

裏には、萌空と“ペガサス”がいた。

またまた、
走って萌空の腕を強く引いた。

“ペガサス”と目が合うが、
見るのではなく睨んだ俊。

「俊⁉︎」

突然のことで驚いている萌空。

「行くぞ‼︎萌空‼︎」

初めて名前で呼んだ俊。

腕を引いて、
とにかく誰もいない所へ走る。

誰もいない廊下でやっと手を離した俊。