連れ出された萌空。
走って走って、
誰もいない廊下で俊の手が離れた。

「はぁっ…はぁっ…」

「何で…」

「悪いかよ…」

俊は、しゃがみ込んで
息を整えている。

「悪いかよ。好きな奴奪って。
後輩に悪戯で告白されてムカついて。
“ペガサス”に普通について行って…」

「しゅしゅしゅ俊⁉︎」

「俺はな、お前が好きだ。
調子が狂うほどおかしくなるほど…」

段々声が小さくなる俊。

「出しゃ張り過ぎた…今の忘れろ。」

「えっ⁉︎何で?いい感じだったのに‼︎」

同じようにしゃがみ込んだ萌空。
ニコッと笑い萌空は、
俊の手を繋いだ。

「私も俊が好きだよ。」

パッと顔を上げた俊。