社会科教室裏に行くと
奴は待っていた。

「あの…」

「・・・。」

無言の奴は、やはり。

こいつ苦手ダァァァァ‼︎

萌空の心叫びが、
ツイートで拡散されていく。

表からは、遥斗先輩が通り過ぎる。

「は…る…」

視界に入らなかったのか、
遥斗先輩はスーッと通り過ぎた。

これは、助からないのか。

絶体絶命と思っていると
奴がやっと喋り出した。

「あの…俺、萌空さんのことが…」

“ペガサス”を見ていると
いきなり体が傾いた。

誰かに腕を引かれた。

その暖かい手の正体は。

「俊⁉︎」

「行くぞ‼︎萌空‼︎」

いきなり走り出した俊に戸惑う萌空。