「んぐっ!!」


いきなり伸びて来た手に抵抗できずキリカは狭い路地裏に引きずり込まれた。





「んー!!んん!」


口を抑えられていて話せない



角が2本、単眼に、牙、筋肉質な大きい体
…トロール系の化け物!?




「へへっ嬢ちゃんにゃちっとだけ協力してもらうべー?」



「んー!」



必死に手をとろうと抵抗するも力の差が
比ではない。


すると首に顔を近ずけてきた。


「あぁ?なんじゃもうつけられちょるか」

「誰がつけたんや?」


私の顎をクイッと持ち上げて聞いた。


きっとジャックさんのつけた「印」の
ことだろう。

「そんなの…知らない…。」


きっとこんな相手ジャックさんでも適わないだろう…。ジャックさんは巻き込みたく
なかった。



「知らずにつけられとるんか…可愛そーじゃな」


はははっと笑う奴はとてもとても怖かった


「ちーと嬢ちゃんの血、もらうだけじゃ」


「やめてっ!!」


その声も届かず首の動脈あたりに手を伸ばしてくる大きい手。


たすけて…アスっ!


「痛くは…しねーさ。今夜の晩餐の酒代わりにいつも若い娘の血をのんどるんじゃ。」

「くくっ、今日なんじゃがいい匂いがすると思えばお嬢ちゃんがいたわけじゃ。」


「いっ、いや!やめてっ!!」


「動くと痛いだがぁ。」




首にあいつの手が触れた。








「あー女の子いじめちゃだめなんだぜー」



「女の子いじめた…お仕置きする…。」





その時、2人の男の子が化け物を挟んで
立っていた。



「なんだ?餓鬼だが?今ちょいと忙しいんだ死にたくなけりゃとっとと
うせやがっ」





一瞬男の子達は片方づつ路地裏の壁を
上り、


「キラ…。」


「わかってるってクラっ!」




その言葉と同時に、化け物の首がっ

飛んだ。



首からは、ピューピューとリズムよく
血が吹き出し、倒れた。




血…!
キリカはその場に倒れた。



「あれ?どーした?」

「…気絶。」



2人が駆け寄ると気絶してるキリカがいた




どうしたものかとキラと呼ばれた男の子は考えた。


「とりあえずさーなんかこいつほかの奴
とくらべて訳ありそーだから連れて帰る」


「そんなことしたら…またリックが怒る…」



「このままじゃダメだろ?」


「…でも」



クラの方は渋っていた。


「さっさと行くぞー」

小さいさい体でキリカをおぶって
屋根に登った。


はぁっとため息を漏らし

「…待ってよっ…」

キラについて行った。