口元のタオルを外したはいいけど、どうしていいか分からなくてその場に座り込んだままでいると、指先に何かが当たった。


見ると手元にスマホが転がっていた。


これ……さっきの……っ!?


咄嗟にスマホを拾ってポケットに入れた。



「みの!! 私たちが悪かったから!! もう止めて!!」

「みの__っ!!!!」



女子たちの悲痛な叫び声でハッとなった。


私の上に載っていた男にまたがっている桐生君は、その男をボコボコに殴りつけている。



「桐生君!! それ以上やったらその人死んじゃうよ!!」



頭に血が上っているのか、桐生君の耳には私の声も届いていないみたいだった。



「桐生く__っ、尊!!」



叫んだと同時に体が動いた。


そのまま尊に抱き付くと、尊の体からゆっくり力が抜けていくのが分かった。