怖くて悔しくて涙が溢れた。



「やーっとその顔見れた。 もっと早くこうしてれば良かったぁ。」



そう言って楽しそうに笑う村雨さんを睨みつけた。



「なにその顔。 ムカつく。 早くやっちゃってよ。」



っ!?


男の手が体操服の中に滑り込んできた。


逃げたくて身をよじるけど意味がなくて、ただ涙が溢れて零れ落ちた。


叫び声もタオルのせいで情けない声が漏れるだけ。


胸の締め付けがなくなって気持ち悪い感覚がした。


桐生君っ、助けて……っ桐生君!!!!!!


そう叫びたいのに声にならない。


こんな事されなきゃいけない事した?


人を好きになって、その人と両想いになった……いけない事をした覚えなんてないのに__っ。


焦りと恐怖で段々と何も考えられなくなった。


呪文のように桐生君の名前を呼ぶことしかできなかった。