桐生君の笑顔は私にとっては嬉しいと感じるものだけど、笹野さんにとってはとても残酷なものだと思う。
もしかしたら逆の立場になっていたかもしれない。
私が傷つく方だったかもしれない。
桐生君に手を引かれて教室を出た。
教室を出る前の笹野さんの潤んだ目が妙に印象に残った。
廊下を歩いている間、みんなからの視線が痛かった。
私と桐生君のつながれた手に視線が注がれている。
「つーかお前らいつからだよ?」
「体育祭の日〜。」
「え!? それでお前打ち上げ来なかったの?」
「そー。」
「『そー。』ってお前ね……電話で話したんだから言えよ。」
「言わなくても直ぐ分かるじゃん?」
「まーそうだけどさ。 ま、今度からはみのりの事みのって呼ぶわ。 ってかお前案外ヤキモチ妬きだな。」
「好きな女独り占めしたいって思うのは当たり前っしょ。」
言ってる本人より言われてる私の方が恥ずかしがってる気がする。
もしかしたら逆の立場になっていたかもしれない。
私が傷つく方だったかもしれない。
桐生君に手を引かれて教室を出た。
教室を出る前の笹野さんの潤んだ目が妙に印象に残った。
廊下を歩いている間、みんなからの視線が痛かった。
私と桐生君のつながれた手に視線が注がれている。
「つーかお前らいつからだよ?」
「体育祭の日〜。」
「え!? それでお前打ち上げ来なかったの?」
「そー。」
「『そー。』ってお前ね……電話で話したんだから言えよ。」
「言わなくても直ぐ分かるじゃん?」
「まーそうだけどさ。 ま、今度からはみのりの事みのって呼ぶわ。 ってかお前案外ヤキモチ妬きだな。」
「好きな女独り占めしたいって思うのは当たり前っしょ。」
言ってる本人より言われてる私の方が恥ずかしがってる気がする。


