ゴールデン☆キャット

撮影は終わったのか、機材がどんどん片付けられていく。



「お待たせー！！」



テンションの高いお母さんの隣にはお父さんがいた。



「今からランチでしょ？ 私たちもだからここでランチにしましょ！」



お母さんと琴ちゃんは2人で盛り上がりながらお店の中に入っていった。



「みのりはお父さん似だな」

「蒼にも言われる」

「女は父親に似るってマジなんかなー。 柚も父親に似てる」

「そうなんだ。 柚先輩のお父さんは綺麗な顔してるんだね」

「綺麗な顔してっけど、チャラそうに見えるかな」



綺麗な顔をしてるから、チャラそうに見えるのでは？と思った。


尊も綺麗な顔で金髪で着崩した制服を着てるとチャラそうに見える。


実際は全然ちゃらくなんかないんだけどね。


みんなでテーブルにつくとなんか変な感じがした。



「どーも、初めまして。 いつも娘が世話になってます」

「いえ、世話してもらってるのは俺の方っすから」

「尊君だっけ？ みのり泣かす様な事あったら分かってるよね？」



え？


まさかお父さんがそんな事言うとは思ってなかった。


笑顔のお父さんが怖い。



「分かってます。 泣かさない様に努力します」



笑顔で言い切った尊の横顔に見惚れた。