笑顔で「お帰り。」と言ってくれる蒼と難しい顔をしてリビングのソファーに座って居る宗助君。


本当のお父さんより宗助君の方が厳しいかもしれない。


将来娘が出来た時の姿が安易に想像できる。



「えっと……お兄ちゃんの彼女の琴ちゃんと友達の宗助君……です。」

「あはは、みのりに『お兄ちゃん』って言われたのスゲー久しぶり。 変な感じ。」

「言われてみればそうかも……私も変な感じ。」



蒼の事をお兄ちゃんって呼ばなくなったのっていつからだっけ?


覚えてないくらい小さい時な気がする。



「それで、えっと……尊です。」

「ちゃんと「彼氏の尊です。」って言わなきゃじゃーん。」

「琴ちゃん!!」



からかう琴ちゃんに怒ってみせると、「あはははは」と思いっきり楽しそうに笑われてしまった。


心臓のバクバクは酷くなるし、顔も熱い。


こんな風に彼氏をみんなに紹介する日が来るとは思ってなかった。