翌朝桐生君が迎えに来てくれた。


運転席に居る花谷さんに挨拶をして車に乗り込んだ。



「気分はどぉ?」

「昨日よりはいいかな。 桐生君は?」

「俺も昨日よりはいいよ。 ってかそのままずっと「桐生君」って呼ぶつもり?」

「え?」

「また尊って呼んでよ。」

「あ、あれはっ……咄嗟だったから……。」



とにかく桐生君を止めないとって必死で、気付いたら名前で呼んでた。


でも冷静になったら恥ずかしくて呼べなかった。



「呼べよ。」

「……み、こと。」



プイッと顔を窓の外に向けると、頭の後ろから桐生君の笑い声が聞こえてきた。


恥ずかしくてずっとそっぽを向いていると、お腹に腕を回され抱き寄せられた。


余計に恥ずかしくなって俯くと、更に笑われてしまった。