蒼を学校で下して後部座席には私と桐生君の二人になった。
自然につながれた手にドキッとした。
今更だけど桐生君の拳傷に傷が付いていることに気が付いた。
私のせいだ……。
そっと親指で撫でると、桐生君と目が合った。
「たいした事ない。」
「……綺麗な手なのにごめん。」
「ばーか。 男なんだから一々手とか気にしねーよ。 みのりに怪我がなくて良かったよ。」
「桐生君が守ってくれたおかげでね。 ありがとう。 でもよく分かったね。」
「何が?」
「私が……あんな事になってるって……。」
もう具体的に言葉にしたくなかった。
出来る事なら思い出したくもない。
「亜子が教えてくれた。」
「え……? 笹野さんが……?」
自然につながれた手にドキッとした。
今更だけど桐生君の拳傷に傷が付いていることに気が付いた。
私のせいだ……。
そっと親指で撫でると、桐生君と目が合った。
「たいした事ない。」
「……綺麗な手なのにごめん。」
「ばーか。 男なんだから一々手とか気にしねーよ。 みのりに怪我がなくて良かったよ。」
「桐生君が守ってくれたおかげでね。 ありがとう。 でもよく分かったね。」
「何が?」
「私が……あんな事になってるって……。」
もう具体的に言葉にしたくなかった。
出来る事なら思い出したくもない。
「亜子が教えてくれた。」
「え……? 笹野さんが……?」


