セレイアは息せき切って訊ねる。

「ディセルたちはどうしてる!? 兵たちはどうなったの?」

「スノーティアスたちなら、無事だ。
兵たちはヴェインってやつが消えたから、散り散りになっていったけど…皇帝レコンダムってやつの姿は最初からなかったから、まだ一群が理の塔に向かってると思う。
スノーティアスが心配していたよ。顔から血の気が引いて、死人みたいな顔をしてた。お前を追って飛び降りようとしたんだぞ?」

「ああ……」

やっぱり、と思ってしまう。

「それで、おいらがセレイアを探しに降りてきたわけだ」

「お願いポック。一刻も早くみんなの所に戻って、私の無事を伝えて。そして、引き続き理の塔に向かってほしいって。私は私で向かうから、そこで会いましょうって」

逆の立場だったらと思うと、早く無事を伝えたくていてもたってもいられない。

「わかったよセレイア。じゃあおいらはまた、みんなの所に戻る。でも、セレイア一人で塔に向かわせはしない。無事を伝えたらまた来るから、セレイアはここにじっとして待っててくれ。一緒に理の塔まで行こう!」

たいへん頼もしい言葉だった。