「あれ~? 君ってこんなに弱かったっけ?」

せせら笑うようなヴェインの言葉に、悔しくて唇をかみしめる。

ヴェインの方は余裕たっぷりな様子なのも、焦りにつながった。

セレイアが放った一撃が、またしてもかわされ、吊り橋のロープを一本切断する。

セレイアにはヴェインしか見えていなかった。

焦るままに繰り出した次の一撃を弾かれ、体勢を崩す。

吊り橋に尻餅をつくようなかたちだ。

容赦なく降ってきたヴェインの槍を、セレイアは転がることでなんとかかわした。

またロープが派手に切れた。

身を起こし、再び向かい合った。

(…次こそは決める!)

セレイアが力強く一歩を踏み出した、その時。

ブチィッと何かが切れる音が、あたりに響き渡った。

―ブチ?