サラマスはぎり、と唇をかみしめると、強い視線をシルフェへと向けた。

「ヴェインのシールドを、ぶち破る!! シルフェ、力を貸してくれ」

「わかったけど、どうやって?」

「もちろん、突っ込むのさ」

サラマスの説明した作戦に、シルフェは苦笑する。

サラマスらしい、と言いたげな笑みだった。

そうこうする間にも兵たちは次々と橋を渡っている。迷っている時間も、作戦を吟味している時間もなかった。

「じゃあ行くよ! サラマス!」

「おう!」

不意に風が渦巻き、サラマスの体をぐんと持ち上げる。

サラマスは「うぉぉぉ!」と気合を入れて、自らの体を燃え盛る炎で包み込んだ。

風が炎を強くする。

炎の球と化したサラマスはシルフェの風の力で勢いをつけ、弾丸のように橋へ向かって突っ込んでいった。

一点集中でこれだけの勢いをつければ、ヴェインのシールドをぶち破ることができるはずだ。

ドォン!!

激しい音と共に、サラマスが橋に激突する!