一方上空のシルフェとサラマスは。

一斉に放たれる無数の矢からなんとかして身を守るので、精一杯だった。

最初は橋さえ落せればいいと、簡単に考えていたが、事態はそう単純ではなかった。

サラマスがぶつけた燃え盛る炎の球も、シルフェの鋭い風の刃も、おそらくヴェインの力によるシールドで、橋にぶつかる前に弾かれてしまったのだ。

そのシールドを何とかして破ろうと苦戦しているうちに、弓矢で集中狙いされることになってしまった。

後手にまわっているうちに、兵たちが次々と橋を渡り切っていく。

「くぅ! サラマス、橋の向こうに炎を!」

「わかった! てやっ!」

特大の炎の球を、サラマスは橋を渡り切った兵たちめがけて投げた。

しかし―――――

「!!」

炎は橋の向こうに至るなりしゅんと消えうせた。

橋の向こうはすでに理の領域なのだ。

神々の力は無力化されてしまう。

「どうする!? サラマス!!」