「二人とも、本当に心配していたんだからね。でも無事でよかった……」

「スノーティアス。そう安心してもいられない状況だぜ?」

スノーティアスと呼ばれた銀髪の青年が、サラマスの言を受けて心持ち緊張感の漂う表情を浮かべる。

そして頷いて見せた。

「…レコンダムたちのことだろう?
俺たちはそのことで、“水手紙”でディーネリア様に呼ばれて、急いでやってきたんだ」

「ええ。わたくしが呼びました。
よくぞ来てくださいましたね、スノーティアス、そしてトリステアの姫巫女セレイア」

「…トリステアの姫巫女?」

ボリスが思わず尋ね返すと、セレイアはボリスに視線を向けて「うん」、と頷いた。

「ええと、挨拶をしなくちゃね。私はセレイア。トリステアで姫巫女をやっているわ。サラマスたちを天上界に帰すために、旅をしていたの。あなたは?」

ボリスも簡単に自分の事情を説明した。

それが終わると、ディーネリアが現状をスノーティアスたちに伝え直してくれた。

そして先程は語られなかったことも語られた。