ごつごつとした岩の感触を背に感じて、ボリスは目を覚ました。

重い瞼を持ち上げる。

視界いっぱいに広がるのは、空だ…と思う。というのも、昼の青空と夜の宇宙の空が、交互に同心円状に広がる摩訶不思議な空だったからだ。

そんな空だと言うのに、どこからか太陽の光が、じりじりと焼けるように強く、降り注いできている。

暑い。

「…………」

ここがどこなのか、何がどうなっているのか、にわかには思い出せなかった。

しかし視界の隅に倒れているエメラルドグリーンの髪の人影を見つけた時、ボリスはすべてを思い出した。

がばりと身を起こし、隣のエメラルドグリーンの髪の人影を揺すって起こす。

「おい、シルフェ、シルフェ、しっかりしろ」

「う…ん……」

エメラルドグリーンの髪の人影シルフェは身じろぎし、やがてゆっくりと目を覚ました。

ぼんやりとした彼女の視線の焦点が合う。

「この、空…そっか、私たち、天上界に帰ってきたんだったわ」