しかしどうやって使えばいいのだろう。

わからないが、やってみるしかなかった。

そしてそれは人間のセレイアよりも、神であるディセルの役目だと思った。

ディセルと無言で頷き交わす。

彼はセレイアより一歩前に出ると、宝玉に手をかざした。

「動け、理よ。この世のすべてをつかさどる原理よ」

ディセルの出した威厳ある声に共鳴するように、宝玉がぱあっと光る。

「天上界に侵入したヴェイン、レコンダムとその兵たちを、強制的に人間界へ帰してほしい。そして二度と、この地を踏めぬようにしてほしい。
そして、ここにいる人間の少女セレイアを、天上界の住人として認めてほしい。
そして俺の失われた記憶を、すべて取り戻させてほしい」

宝玉がさらに強い光を放つ。

ディセルの声に応じて、きしみながら歯車がまわりだすように、何か大きなものが動き出すのを感じた。

セレイアの体が淡い光に包まれ、鼓動が早くなる。

きっとそれは直接セレイアに関わる理が動いたからだ。

すべてが動く。動く―――!

ディセルの体が光に包まれるのが見える。

きっと今彼は、失われた記憶を取り戻しているのだ。

全ての記憶、真実が、明らかになる――。