セレイアもディセルも、目を開けていることができなかった。

記憶を伝える光とは光り方が違う。もっと目を射抜く、強い光だ。

「ポック――――!!」

たまらずに、セレイアは叫ぶ。

けれどその呼び声に応える声はなく……

やがて光は消えた。

そしてギギィ、と音を立てて、扉がゆっくりと開いた。

開いた扉の前には、ポックの小さな体が横たわっていた。

「ポック!!」

扉など、目に入っていなかった。

セレイアは急いで駆け寄り、ポックの体を抱き上げる。

「ポック! しっかりして! ポック!」

声の限りに名を呼んでも、その体を揺さぶっても、ポックは目を開けなかった。

いつのまにかそばに来ていたディセルがポックの口元に手をかざし、くっと呻いて首を横に振る。

ポックの呼吸は、止まっていたのだ。