「セレイア、俺にやらせてみて」

ディセルと場所を変わり、今度は彼の強い力で扉を押したり引いたりしてみたが、だめだった。

セレイアの胸に焦りが生まれる。

ここまで来たはいいが、扉が開きませんでしたで帰る羽目になってたまるか。

なんとかして開ける方法をみつけなければならない。

「………おいら、ここを知ってる。絶対知ってる。憶えてる」

不意に、ポックがぼんやりした口調でつぶやいた。

ポックがゆらりと飛んで、扉へと近づく。

すると――――

扉の中からまばゆい光がしみだしてきた。

今までさんざん経験した、あの記憶を伝える光だ。

思わず腕で目をかばったセレイアは、流れ込んでくる“記憶”に目を見開いた。

なぜならその記憶が、信じがたい真実を告げていたから…。