ボリスが横合いから斬りかかれば、レコンダムがそれを避けて足を狙った一撃を放つ。ボリスはそれを避けきれず鮮血を散らすが、振りかぶった剣の勢いを止めない。今度はレコンダムが肩に鮮血を散らした。

もうどれくらいそうして戦っているのだろう。

二人は互いに血まみれだった。

それでも気力だけで戦っている、そんな感じが見て取れる。

「ボリスさん! 加勢しま――――」

「ここは俺一人でいい! それより最上階へ行け! こいつらをさっさと天上界にいられないようにしてくれ!」

ボリスの言うことはもっともだった。

一刻も早く、元を絶つのだ。

「わかりました! 御武運を!」

そう叫んで、セレイアたちは二人の横をすり抜け、階段を駆け上がる。

いつの間にか最上階は目前に迫っていた。