光る階段を駆けるうち、ここの持つ不思議な光ではない、太陽の光が射しこんできたのがわかった。

だんだん周囲が明るくなってくる。

びゅうびゅうと唸る風のもとに、セレイアたちは飛び出した。

「外………?」

ここから先は、階段が外についているようだった。

風にさらわれる髪をおさえて何気なく下を見下ろして、セレイアは一瞬硬直した。

遥か下方―雲海の彼方に、天上界の神々の庭がすべて見える。

それほどにここの高度が高かったのだ。

思わず頭上を見上げると、その空は青空と言うより宇宙を感じさせる色合いをしている。

「うそ……私たち、こんなにのぼってきたの?」

そんなはずがないことは分かり切っていたが、誰かに問いかけずにはいられなかった。

「そうみたい、だね……」

ディセルも驚愕の表情を隠せないようだ。

ポックだけが、驚きと言うより、神妙な顔つきで黙っている。