それでもセレイアはかろうじて立っていられた。

受け止めることができた。

「今の記憶、なに……? セレイア…大丈夫?」

ディセルの声を聞くと、ほっとする。

「なんとか、大丈夫よ」

気丈な声を出すことができて、また少しほっとした。

なぜ大勢人が倒れているのかと疑問に思っていたが、ここに倒れているのは皆、流れ込んできた星の記憶に耐え切れなかった者達だろう。

ボリスやレコンダムの姿は見えない。

不思議なことに、記憶を受け止めた後あたりを見回せば、見逃すはずのない光る階段が存在していた。

記憶を受け止めることができる者だけが、次の階へ進めるということだろうか。

「ボリスもレコンダムもヴェインも上に行ったんだわ。私たちも行きましょう!」

まだ少し足元がふらつくが、こんなところで立ち止まっているわけにはいかなかった。

他の誰を止められても、レコンダムを止められなければ、大変なことになる。

視界の隅で、ポックが、呆然とした表情で、宙に立ちすくんでいる。

「ポック? 大丈夫?」