守護獣の獅子は、牙をむき出しにしてセレイアたちに飛びかかってきた。

セレイアは跳び退り、距離を取る。

「ヴェイン! けが人のあなたは下がっていて! 私が戦うわ!」

「そう? じゃあ僕は、のんびり観察させてもらおうかなあ」

そんな言い方をされるとなんだか腹が立つが、ヴェインが怪我であまり動けないのは事実だし、今はそんな場合でもない。

「悪いけど、ここは通してもらうわよっ!」

セレイアは槍を構え、だっと獅子に突っ込んでいった。

牙の間合いを測りながら、手にした槍を突きだし攻撃する。

接近型の牙に対して、槍と言う武器は有利なはずだった。

しかし、事はそう簡単にはいかなかった。

獣はただの獣ではないゆえか、セレイアの動きを読んできた。すなわち槍の一突きをさっと避けて、隙のできたセレイアのわき腹を狙って爪を一閃させたのだ。

危ういところで、セレイアは攻撃をかわした。

(この獣…強いわ!!)

頭を使ってくる。

こちらも頭を使わねばなるまい。