彼女の薬指(仮)

俺の方を向いて再び泣き出す。
 今度は俺が泣かせたみたいな構図。
 涙で若干アイメイクは崩れていたものの、決して可愛くないわけではない。
 化粧しなくても、そこそこ可愛いんじゃないだろうかと思う目鼻立ち。
 どう答えたらよいものかわからず、恐る恐る答えたら、顔を覆っていた手の指を少し開けてちらりと俺を見ては、また泣き出す。
 なんで女ってすぐ泣くんだ。
 わけがわからない。
 とりあえず、彼女にばれないように深呼吸をしてから、彼女の方をまっすぐに見て答える。
 それに満足したのか、彼女は顔を覆っていた手を放して、じっと俺の顔を見つめてくるから、俺はただだ顔を上下に動かすことしかできなかった。