真っ逆さまに落ちて地面に着地はしたが、残念ながら頭から着地した。
猫は背中から落ちないと言うけど人は思いっきり背中から落ちる。
そのまま気絶し、起きたときには既に辺りは暗かった。
どうも打ち所が悪かったようで、体が上手く動かない、というか関節の曲がり方に異常なほど違和感を覚えた。
痛くないし四つん這いなら普通に動けるけど、関節の動き方的に中々、人にはお見せできない怪我をしているのかと思えた。
花の女子高生が関節あり得ない方向に曲げておいて痛み感じないとか本当にエグい…と思いつつも四つん這いで歩き始めた。
四つん這いで歩く人生になっちゃうのかな…と悲観的になりうつむいたその瞬間。
信じられないものが目に飛び込んだ。

ふっさふっさの手。

そうですにゃーん、私、猫になりましたにゃーん。
頭のなかでふざけた声が響いた。
こんな時にまでふざけている場合ではない。
ではなにか、関節の曲がり方に違和感を覚えたのは怪我ではなくそもそも構造が変わっていたのか。
その後慌ててコンビニへ行きガラスで確認したが、そこに映るのは愛らしい姿をした猫でした。
さすが私、猫になっても可愛い。
いや、だからそんな呑気なことを言っている場合ではない。