今、あいつの顔が明るくなったのは小野寺奏太…先生が通ったからだった。
気付いていないあいつにやっぱり俺は確信した。

この2人になにかあるって。

麻璃は知らないと思うけど、小野寺に関する良い噂はない。
あいつに好意を寄せる生徒は沢山居る。
だからこそチヤホヤされてるのなんて当たり前だし、この前は告白されている所も見たし…。

俺からするとただあいつが心配なだけ。
遊ばれてるとしか思えねえだろ…。
もちろん好きだよ。好きだけど…相手があいつなのも気に入らないし。
……小せえ男かな。


「蓮。何そんな顔してんだよ。どうせまた菊池さんの事だろ?」
「うるせ。」
「本人前だと素直なのに…。何だかな〜。」

こいつは佐々木竜二。
中学からの同級生、親友。
わからないけれど俺のことはすぐ見抜く。

「蓮の予想は本当っぽいの?」
「あぁ。そんな感じしかしねえよ。」
「ふーん。あんまり過保護すぎると、また麻璃ちゃん怒るよ。多分。」
「やめろ。お前の言うことは当たるから。」
「お前の行動が悪いだけだよ。」
「…ぅるせ。」

俺の一方的な片思い、か。




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