Strawberry Night


「…そりゃそうだよね。なんかずっと言わなきゃって、ノスタルジックな心境になってたみたい。ごめんね」

「構わないんだけどね。昴(こう)ちゃんって相変わらず真面目だなぁって思ってさ。」

笑いを含んだ言葉。けれどどこが淋しさと悲しさが見え隠れしている。こんな時なのにもう一つ思い出したことがある、それは彼女は必要以上に強がりで本心を弱さを絶対に見せたがらない。

「…最後にこんな事言うの可笑しいし、また今更って思うかもしれないけれど、こんな結果になってしまったけど俺は今でも紫依(しえ)が好きだよ。嫌いになったわけじゃないから」

「……」