Strawberry Night


意を決して吐き出したそれ。今にも消え入りそうな声で伝えると、きょとんとした表情で俺を見つめそして声をあげて彼女は笑いだす。

「あはは…!神妙な顔つきで呼び出すから、なにかあったのかなって心配してたのになんだ、そんなこと!」

彼女の言葉にピクリとするものがあり、苛立ちを隠すこともせずにそのままストレートに流す。

「そんなこと、ってなに。」

「だってそうでしょう?わたしたち、とうの昔に終わってるのよ。言うならば自然消滅だったのに、今更蒸し返す自体が可笑しいじゃない。」

俺とのことが、彼女にとって重みを含まないそんなにも軽いものだったのか。はたまた、幾許も時間が経っていない筈にも関わらず、既にもう彼女にとって俺との事は過去になってしまっていたのか。そんな当たり前の事実に、まるで後頭部を鈍器で殴られたような気分だ。