Strawberry Night



取り残された俺は、顔を伏せて誰にも表情を見られないように俯く。幸い、この店にはもう俺とバーテンダーしかいないようだ。
からん、とグラスの音がした気がして顔を上げると、何もかも悟ったように穏やかに微笑むバーテンダーと手元に置かれたグラスには無色透明の飲料にミントの代わりだろうか、細かく刻んだ苺が散りばめられており、小さなホイップが浮かんでいる。