「え……木村く…ん?」 あたしの言葉なんて聞こえてないかのように、ズンズン歩き続ける彼 後ろを振り返ると女達の唖然とした顔と、親友の満面の笑みで手を振っている姿があった 亜弥…… なに楽しそうにしてるのよ 普通、こんな状況だったら止めてくれるはずでしょ―が ぶつぶつと文句を呟きながら亜弥を睨んだ すると、彼はピタっと立ち止まり、振り返りもせず中に入って行こうとする。 その場所は、資料室だった