「えっと……」
あ、しまった。
例のごとく、また名前を忘れた。
まいったなぁ~、映見の弟なのに……。間違えたら、さすがに悪いよな。
えーっと、確かー……
「漢数字の『一』に……『輝く』と書いて……
あ、『カズキ』君……だよね!?」
そうだよ、そう言ってた!
ここまで覚えられたのは、かなり珍しい。
これは、ひょっとしたら、ひょっとするぞ♪
期待に胸を膨らました。
『……違います。『イッキ』っす』
遠慮がちに訂正された。
期待で膨らんだ胸が、一瞬にしてパンッと破裂した。
「あ……そうか。そうだったねぇ!
ごめんごめん、ハハハ……」
彼女の弟なのに……。
やっぱり俺……名前覚えるのダメだった。
彼氏失格のレッテルが、ますます板についてしまった。


