三回目のデート



「えっと……」


 あ、しまった。

 例のごとく、また名前を忘れた。


 まいったなぁ~、映見の弟なのに……。間違えたら、さすがに悪いよな。

 えーっと、確かー……


「漢数字の『一』に……『輝く』と書いて……
 あ、『カズキ』君……だよね!?」


 そうだよ、そう言ってた!

 ここまで覚えられたのは、かなり珍しい。

 これは、ひょっとしたら、ひょっとするぞ♪


 期待に胸を膨らました。


『……違います。『イッキ』っす』


 遠慮がちに訂正された。

 期待で膨らんだ胸が、一瞬にしてパンッと破裂した。

 
「あ……そうか。そうだったねぇ!
 ごめんごめん、ハハハ……」


 彼女の弟なのに……。

 やっぱり俺……名前覚えるのダメだった。

 彼氏失格のレッテルが、ますます板についてしまった。