三回目のデート



「もしかして……お付き合いをしている、兄の『姫君』・映見さんのことを思い出していたのですか?」

「……へっ?」


 ふいに映見のことを指摘されたら、いろいろを思い出してしまい、顔が少し熱くなった。

 ちなみに南琉の言う『姫君』とは、世間でいう『彼女』のことを指す。最近、時代劇にハマってるからだな。

 
「いや。今、顔が緩んでいたのは、『南琉はホントに可愛いなぁ』って思ってたからだよ」

「……」


 あ、嬉しそう。

 表情は全然変わってないけど、うっすら頬を赤らめてる。

 南琉のこういった微妙な表情の変化は、家族や友達にしかわからない。