真剣に式を解く南琉を、まじまじと見てみる。 黒髪のセンター別け。頬まである前髪を顔のサイドに垂らし、肩まである後ろ髪を耳にかけている。 父さんに似て大きな目をしていて、まるでお人形みたいだ。 我が妹ながら……愛らしい顔してるよなぁ。 「……兄。お顔が緩んでいますよ」 「えっ?」 いつの間にか俺を見ていた南琉に言われて、ハッとした。 いかんいかん。兄としたことが。つい、妹にデレデレしてしまった。