「崇、パスッ!」

「あーっ、冬馬!どこに向かって蹴ってるんだよ!しかもお前、『崇』って呼び捨てにすんなって!」

「ハハ、ワリィワリィ!」


 坊主頭の冬馬君が、ボールを追いかける。

 そのボールは、私の足元にまで転がってきた。


「映見ちゃーん、ボール取ってー」

「はーい」


 ボールを拾い上げて、冬馬君に渡した。


「ありがとう。ところで、何の絵描いてるの?」

「……見たい?」

「見たい!」

「では……じゃーん♪」


 スケッチブックを広げて見せた。


「うわぁ、オレだぁ!」

「冬馬君の笑った顔、可愛いでしょ?」

「すげー、そっくりー!あ、みんなも描いてあるー!」


 冬馬君、目をキラキラさせて喜んで……

 嬉しいなー。