「映見、大丈夫?」
「あ……はい」
ボール、誰にもぶつからなくて良かった。
「ごめんな、驚かせて」
「いえ……あ、あの……」
この状況を説明したいのに、うまく言葉が出てこない。
私がモゴモゴしていると、先輩は「ところでさ……どうだった?」と普通に訊いてきた。
「……どうだったって、何がですか?」
何のことかわからず聞き返すと、先輩がみんなに聞こえないように、コッソリと……
「ボールさ、誰にも当たらなかったの、すごくない?映見とアイツの間、わりと狭かったのに」
「……え?」
「俺なりの守り方だったんだけど……また間違ってた?なんて」
と、ニッコリと微笑んだ。
「……あ」
違う方向に蹴っちゃったわけじゃなくて……わざと狙ったの?
私を……助けるため?
先輩……この状況のこと、気づいてくれてたんだ。
先輩は、やっぱり離れていても、私を助けてくれる。
さっきまで一人で気を張っていたのに、そんなふうに安心させてくれたら……
泣きつきたくなるじゃないですか。


