「ごめんごめん。でも……呼んでくれて嬉しかったよ」
「……ホントに?」
「ホントに決まってるっしょ!好きなコに名前で呼ばれるの、何気に夢だったし。
それにさ、映見は十分彼女らしいことをしてるよ。その格好とかもそうだし、疲れてるのを気づかって好きなカフェオレを買ってくれたり……
あとさ、映見の言葉遣いが、だんだんと自然になっていってるし。それって、俺に心を許してきてるってことだろう?」
「言葉遣い?あ、全然気づかなかった……」
確かに、先輩の前で無理して振る舞おうとしなくなってきたかも……
それは……先輩が、私のことを受け入れてくれてるから。だからきっと……安心して自然になれたんだと思う。
「それと……情けなく感じるのは俺の方なんですけどー」
「え!?何で先輩が!?」
私からしたら、どこが情けないのかわからないんですけど。
「誕生日も聞き忘れるし、映見の弟クンの名前も間違えるし……
コンビニでの時も、かなりオロオロしちゃったし……他の人だったら、『この人、大丈夫かしら?』って、不安がったりすると思うよ。
なのに映見は、笑って受け入れてくれるから……俺、無理してカッコつけなくていいんだって思える」
先輩も、そんなふうに思っててくれてたなんて……
「先輩は……もともと自然じゃないですか」
「こう見えても……カッコいいところ見せなきゃって意気込んでたんだけど」
「意気込まなくても、ステキですっ」
「え?」
「私は……ありのままの先輩が、ステキだと思ってます」
なんか、大胆なことを言っちゃった……ドキドキしすぎて胸が苦しい。
「映見……ありがとう」
わっ……頭撫でてきた。
先輩をうまく見ることが出来なくて、ひたすら下を見ていた。


