三回目のデート



「……映見?」

「……先輩は……彼氏として、こんなに私を驚かせたり喜ばせたりしてるのに……
 私、まだ何一つ彼女らしいこと出来てないから不甲斐なくて、なんか情けなくなっちゃいます。
 先輩の名前も……呼ぼうとしても、恥ずかしくてなかなか呼べないし……」

「…………映見、俺のこと……名前で呼ぼうとしてくれてたの?」

「……あっ!」


 やだっ、言っちゃった!


「……もしかして、ゲーセンで名前呼んだのって……映見?」


 さらにギクッとした。


「きっ……聞こえてたんですか!?」

「うん……でも、気のせいかとおもったんだけど、まさかホントに映見とは。
 そうならちゃんと聞けばよかった」

「わぁー、もうそれ以上突っ込まないで下さーい!」


 居たたまれなくなり、顔を手で覆った。

 恥ずかしいー!聞こえてたなんてー!