三回目のデート



「ね?悪魔みたいでチャラいでしょう?」

「うん。想像以上で驚いた」

「しかも、彼女と別れた翌日にナンパしたって言うんですよ?」

「マジか……それも想像以上だな」


 いくら男の俺でも、それは理解不能だ。


「ホント、信じられないですよねー。
 でも、そういうムチャクチャな弟でも……いいところもあるから、なんか憎みきれなくて」


 と映見は、優しく笑みを浮かべて髪を触った。

 一輝君からのプレゼントを思い出してるんだろうな。

 微笑ましいんだけど……それとは別にもう一つ、余計なプレゼントもあったりして……

 俺は思わず、ジャケットのポケットを用心深く抑えた。


「なんだかんだで、やっぱり一輝君が可愛いんだな」

「……アハハ、ですねー」


 憎みきれなくて可愛いと思う映見の気持ちが、少しわかる。

 俺にも、あの南琉がいるし。