「ね?悪魔みたいでチャラいでしょう?」
「うん。想像以上で驚いた」
「しかも、彼女と別れた翌日にナンパしたって言うんですよ?」
「マジか……それも想像以上だな」
いくら男の俺でも、それは理解不能だ。
「ホント、信じられないですよねー。
でも、そういうムチャクチャな弟でも……いいところもあるから、なんか憎みきれなくて」
と映見は、優しく笑みを浮かべて髪を触った。
一輝君からのプレゼントを思い出してるんだろうな。
微笑ましいんだけど……それとは別にもう一つ、余計なプレゼントもあったりして……
俺は思わず、ジャケットのポケットを用心深く抑えた。
「なんだかんだで、やっぱり一輝君が可愛いんだな」
「……アハハ、ですねー」
憎みきれなくて可愛いと思う映見の気持ちが、少しわかる。
俺にも、あの南琉がいるし。


