三回目のデート



 俺は言ったとおりに、なるべくゆっくりと歩き始めた。

 映見も、俺に手を引かれながら付いてきている。

 はぁ……手を繋いでるだけでこんなにドキドキするとは。映見の手……すごく柔らかいし。

 去年の文化祭のお化け屋敷で、映見に触れてもここまでドキドキしなかったのに……まぁ、あの時の俺はずっと着ぐるみを着ていたから、映見に直接触れた感がなかったしな。

 手汗が出ないことを祈ろう。


「あの……先輩」


 映見が遠慮がちに話かけてきた。


「ん?」

「さっき……何であんなに怒鳴ったんですか?」

「えっ、あれ!?あれはー……」


 何となく後ろめたさがあったが、俺がナンパしたんじゃないし……正直に言うか。