アイドル君と私



私といる時だけじゃない、
この笑顔は、みんな好きで…みんな知ってる。


そう思いながら、咲は無意識に廉をじっ…と見てしまう。


咲の視線に気づいて、廉は少し照れる。


「あの…咲ちゃん?」


「あっ!ゴメンっ…ちょっと考え事してて」


「そ…そうなんだ?」


2人は視線をずらす。


「じゃあ…もう遅いから行くね?」


「あっ…うん」


「チケットありがとう、必ず行くね?」


「うんっ」


「じゃあ…おやすみなさい」


「おやすみっ」


そして咲は廉の車のドアを閉めた。


そのまま廉の車が夜道に消えていく。


「…廉くん…」


少しザワついた気持ちで、咲は廉の車を見送った―。