アイドル君と私



「なんで?逆じゃ…?私っ…全然愛想良くないしっ…それにっ……」


つい、彼の事を思い出してしまう。
って、口に出来ない。


「…だからだよっ」


「えっ…?」


「だから…そばにいたいっ、咲を笑顔にしてあげたいっ」


「……っ…」


「これじゃ…ダメ?」


「……ダメです、私…勇介くんのこと、きっと傷つけるっ…」


「……だから?」


「…えっ…」


「恋愛って、傷つけて…傷つけられるもんでしょ?そうやって、本物になっていくんだと思うよ?俺は」


「……勇介くん」


「俺が…咲の傷…治してあげるからっ」


勇介の言葉に、咲はただ勇介を見る。


「だから、また次会ってよね?無視しないでよねっ?」


笑ってそう言う勇介に、咲も薄っすら笑みを返した。


ーー


そして夜、2人は車で咲のアパートへ戻ることに。


鼻歌を歌いながら運転をする勇介を見て、
咲が口を開く。


「勇介くん…」


「ん?なに?」


「……なにも、聞かないんだね?」


「……あー…」


「大人…だね?」


「ははっ、そんなんじゃないよっ」


「えっ…?」