アイドル君と私



「ひぃ…?」


比奈は真剣な顔で廉を見る。


「けど、俺……」


廉の困り顔に比奈は少し眉を下げた。


「大丈夫よ…」


「えっ…?」


「来年はあげないからっ…」


「…ひぃ…」


廉はとまどいつつも、比奈のチョコにすっと手を伸ばした。


「ありがとう…」


「ううんっ、受け取ってくれて良かった」


そう言って、比奈はニコッと笑った。


「じゃあ…私、行くね?」


「…うん」


比奈はタクシーの前でもう一度廉を振り返る。


「あっ…そうだ」


「えっ…?」


「私普段あんまり料理しないんだからっ…廉が今からもらう子のチョコと味比べないでよねっ?」


「あっ…うん…サンキュ」


「うんっ、じゃあ」


そして比奈はタクシーに乗り、帰って行った。