「ふぅ―…何か妙にドキドキする…」
チョコの入ってる袋をぎゅっ…と握る。
「廉くん…喜んでくれるかなぁ?」
はぁ―…と手に白い息を吐くと、マンション前の道に一台のタクシーが止まったのが見えた。
「……廉くんかな?」
咲が立ち上がる。
そして、タクシーから降りようとする廉が運転手にお金を渡した。
「すみません、これで彼女の家までお願いしますっ」
「……えっ?」
廉の行動に驚く比奈。
「じゃあな?ひぃ」
廉はそう言ってタクシーから降りる。
すると、比奈もタクシーから降りてくる。
「待って!廉っ」
比奈は廉の前に行く。
そして咲は、人の姿が見えてその場に近づいた。
咲の姿には気づかない廉は、比奈に口を開く。

