アイドル君と私



「うん…」


比奈は廉が、もうすでに荷物をまとめて出ようとしているのが分かった。


「もう…帰ろうとしてた?」


「あ―…うん?」


「そっかぁ……もしかして、約束?」


「えっ…!?」


明らかに照れた顔をする廉。


「あ―ぁ…分かりやすっ…そうだよね?今日はバレンタイン、もらいに…行くんだっ?」


「あっ…いや、そういうわけじゃ…」


「はいはい、じゃあタクシーで帰るの?」


「あっ…うん?」


「そっかぁ…」


「ひぃ、何か用あったんじゃ…?」


「そうなのっ、じゃあ…私も乗せてって?」


「えっ!?じゃあ…の意味が分かんないんだけどっ」


「大丈~夫、部屋に上がらせてってわけじゃないから、お願いっ」


比奈は廉に両手を合わせ、お願いポーズをする。


困った顔の廉だったが…。