アイドル君と私



「…廉くん」


廉の優しげな笑みに、咲はドキッとして、照れた咲は視線をずらす。


そして車がまた発進した。


「………。」


廉くん、嬉しいよ?


嬉しいけど…。


本当に私でいいのかな?


窓から見える見たことのない景色を、咲は眺めていた。


――


そして、車は緑に囲まれた墓地に着いた。


「ここだよ?」


「あっ…うんっ」


2人はシートベルトを外して車から降りた。


「…ここが…」


廉くんのお母さんが眠っている場所。


両手を口元に当て、
咲ははぁ―…と白い息を吐く。


そして廉が花を出して歩きだした。


「じゃあ…こっち」


「うんっ…」


2人は墓地前の緩い坂を登る。


「廉くん…お姉さんは?」


「あ―…多分墓前じゃないかな?さっき車あったし」


「そうなんだ?」