アイドル君と私



それから数日。


笹原に何も言えないまま、日にちだけが過ぎていこうとしていた。


ある日の仕事帰り、咲がアパート前に着いた頃、ちょうど携帯が鳴る。


着信相手は…廉だった。


咲はドキッ…としながらも、通話を押す。


「…もしもし?」


「あっ…咲ちゃん?」


「うん…」


「咲ちゃん、今何処にいる?」


「えっ?今は…仕事から帰ってちょうどアパートに着いたところだけど…」


「本当?あのさっ…実は今咲ちゃんのアパート前にいるんだけど…」


「えっ…!?」


咲は急いで階段を降りると、本当に道に廉の車が停まっていた。


ウソ…?


だって、さっきまであそこに車停まってなかった…?


「……そっちに行くっ」


「えっ…?」


廉の驚き声と共に、咲は電話を切り廉の車の方へ早足に歩いた。